ICRPとECRR

今夜はまた、被ばく線量と実害について、データ的な事を書いてしまいます。
主に自分用のメモなんだけど、原本を読んでいない人にもわかりやすいよう、なるべくフランクに。
これまで触れてきた内容はICRP基準、チェルノブイリ以前の「DNAって何?」的時代に定められたもので、WHOはじめ日本政府もICRPをベースに試算しています。

そして今夜触れるのはECRR 2010。
チェルノブイリ以降に急増した、低レベル放射能汚染地区での癌や白血病に代表される、ICRPの考え方では起こり得ない現実の事象を、疫学的監視手法などにより論理体系化したものです。

「放射能も少しなら食べても大丈夫」派の方にはショッキングな内容になりますので、知りたい方だけどうぞ。

さて、ECRRとはそもそもが「影響なしって言ったのに、実際には癌とか白血病激増しちゃってんじゃんよー!」という、EC圏の訴えで調査が始まったことに端を発します。

【小児白血病増加と被ばく線量】

ギリシャ 200μSv 160%増
ドイツ 100μSv 48%増
スコットランド 80μSv 200%増

※ICRP基準ではもっとも放射線の悪影響を受ける胎児期のX線照射でさえ、10,000μSvでようやっと40%増加するとされています。

決定的なのはやはりベラルーシ。
チェルノブイリ(1986年)以前の11年間では7人しか居なかった小児甲状腺ガンが、1986年~1996年の事故後の11年間では508人に激増。

実に72倍っす。

一方成人については1,342人が4,006人へと3倍増にとどまっており、17歳以下の成長期にある人体ほど被ばくの悪影響を受けやすい事実が顕著に顕れてしまった例ですね。

ちなみにこのベラルーシの飲料水汚染基準値は18.5Bq/L(ベクレル/リットル)。
WHOの10.0Bq/Lやアメリカの0.111Bq/Lよりもやや高めになっています。

日本もWHO準拠の10.0Bq/Lだったのですが、東京の水が法定基準を上回って汚染されてしまったため、3/17からは300.0Bq/Lに引き上げられています。
ベラルーシの12倍ですが、我が国ではこの300Bq/Lをもって、安全宣言を高らかに掲げたわけです。

さて、ここでECRRの話しに戻ります。

X線のような人体を透過する放射線を外部から均一に浴びた場合の影響を考察したICRP。
それを食物と一緒に体内に取り込んでしまった場合も果たして同じ計算式で良いのでしょうか?

例えばヨウ素は喉の甲状腺に留まって、放射線も集中照射。
セシウムは筋肉や骨に留まって集中照射。

放射線は至近距離で浴びるほど威力が強いですし、同じ1mSvの被曝量でも、全身で1mSv浴びたのと、喉だけで1mSv浴びるのではかなり違うように思えます。
無防備な内側からの攻撃、更に近年発見された『セカンド・イベント理論』によれば、細胞周期の特性的に、一度だけ浴びるのと二回以上浴びるのでは細胞の変異発生率が全然違うというお話。

最初の照射で破壊された細胞が、体内に取り込まれた放射性物質によって、修復途中に二度三度と繰り返し破壊されれば、それは何やらマズイだろうというのは医学の知識が無くとも容易に想像できます。

こういった仮説を元に膨大な数の被験者(チェルノブイリ被ばく者)を疫学的に監視し、近代医学的見地から特に内部被曝(食べちゃった場合)について集中的に定義したのがECRRです。

ICRP理論では増えないはずの癌患者が増えちゃったので、事実を元に統計学的に分析したのがECRRですから、この二つの理屈は相反するものになっています。

で簡単に結論の数式だけまとめると。
1Svあたり5%の発ガン率増加があるとするのがICRP。
ICRP基準で算出した線量(シーベルト)に対し、生物物理学的損害係数とかなんとかをあれこれして、結果的に600倍したのがECRR線量、発がんリスクはこれに0.1を掛けた数字となります。
つまり1Svも食ったら生涯発がんリスクは60(6,000%)、60回も死ねる計算です。

逆算すると16.7mSvの内部被ばくだけで、生涯発がんリスクが100%に・・・ICRPで算出した値を食物や飲料水に用いることが如何に危険な事かわかりますね。

0.0167Sv × 600 × 0.1 = 1.002 = 100.2%

ではこれを日本の現行基準値300Bq/Lで算出すると何リットルになるのか計算してみましょう。
セシウム137想定で300Bq/Lの場合のICRP線量は0.0039mSv/L。
※300 × 1.3 × 10^-8 = 0.0000039Sv/L
16.7mSv ÷ 0.0039mSv = 4,282リットル

12年間毎日1リットル飲み続けたら100%癌になるって事ですね。

ではこの水をコップ1杯飲んだ場合は?
コップ一杯は180ccですから300×0.18で54Bq
54 × 1.3 × 10^-8Sv × 600 × 0.1 = 0.00004212 → 0.0042%

1,300万人の東京都民に基準値ギリギリの水をコップ一杯ずつ、たった一回飲ませると、547人が10年〜50年の間に癌になるという事です。

放水で抑えこんで、太平洋に垂れ流すことで東京への放射性物質が抑えられている現状、4/4の都内の水道水は3.8Bq/L。
ではこれを全ての都民がコップ一杯分飲んだとしたら?

3.8 × 0.18 × 1.3 × 10^-8 × 600 × 0.1 = 53.352 × 10^-8
1,300 × 10^4 × 53.352 × 10^-8 = 69357.6 × 10^-4 = 6.9

コップ一杯につき7人が多いのか少ないのかわかりませんが、WHO基準では18人なので現状はアリな数値と言えます。

では食べ物も試算してみましょう。
半減期の短いヨウ素は2,000Bq/kgですが、セシウムは500Bq/kgが現在の国内基準です。

水と同じくセシウムのみで、基準値ギリギリの食品を100g食べた場合を計算してみましょう。
500 × 0.1 × 1.3 × 10^-8 × 600 × 0.1 = 3,900 × 10^-8
1,300 × 10^4 × 3,900 × 10^-8 = 507

都内で一食ごとに507人、毎日1,521人、一ヶ月で45,630人が貧乏くじを引く事になります。

計算あってるかな?
誰か検算してください。

もう寝むくてダメポ。

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